改築?建替え?
築30年を超えた辺りから出てくるのが、“建て替えかリフォームか”という悩みです。
よく、「建て替えるにはまだ早いでしょうか?」、「リフォームで大丈夫でしょうか?」 という質問をよく受けるのですが、その場でどちらがいいのか即答はできません。 建て替えかリフォームかを判断するためには、それぞれの住まいの 「現状確認」 と、各家庭の 「未来予測」 を行なった上で、総合的に考える必要があります。
状況次第では、リフォームだと建て替え以上の費用が掛かってしまう場合や、逆に安いリフォームで建て替え以上の家にできることもあります。
建て替えとリフォーム、目先の費用で比較するのはNG!
建て替えは、まだ使える部位も全て解体するので、リフォームと比べて廃棄物が多く、処分費も多く掛かります。仮住まいの準備や家賃、引越し、登記の費用なども加算されます。 リフォームは、使える部位はできるだけ利用しますので廃棄物が少なく、住みながらの工事なら転居費用も節約できます。
リフォームのメリットは建て替えより総費用が少ないところにあります。 ただしリフォーム工事は少しずつ壊して作るという作業の繰り返しのため、工事単価で比較すると、建て替えよりも割高になります。 費用面での比較をする場合には、このように工事費だけでなく、付属として必要な費用も加え、総額がいくらになるのかを比べていきましょう。
そして建て替えに必要な費用の7割以上掛かるリフォームになってしまうのであれば、建て替えをお勧めします。 また家は出来上がったら終わりではなく、その後10年程度ごとにメンテナンスが必要です。リフォームで安くできても、10年後に何百万も掛かるようでは得をしたとは言えません。建て替えとリフォームを比較する時は、目先の費用ではなく、最低でも向こう20年のトータル費用で比較検討しましょう。
多額の費用が掛かるリフォーム – 構造部に大掛かりな補修が必要な場合
家の状態によっては、リフォームに多額の費用が掛かってしまうことがあります。 例えば、多湿や結露による構造部分の腐食や、シロアリによる土台や柱への被害が進んでいると、大掛かりなリフォームが必要になり、当然費用もかさみます。
他にも、基礎が沈んでいる、外壁や基礎に大きなひび割れがある、家が傾いているなどの症状が出ている場合は、地盤や構造に問題が起きていることが多く、リフォームでは費用が掛かり過ぎることもあります。
この先、何年もたせたいかによってもリフォーム内容と費用は変わります。まずは家の健康診断を行って、どのようなリフォーム工事が必要で、それを行なう事によって寿命がどれくらい延ばせるのかを確認しましょう。建て替えかリフォームかを検討するのはその後です。